2014.03.30 | その他
平成26年度横浜市予算が、25日(火)に議決され、可決されました。それに先立ち我々”横浜の未来を結ぶ会”は、本予算案に対して修正動議を提起し、本会議場で望月が、提案内容と趣旨の説明を行いました。これは結果として、賛同して頂いた会派もありましたが、議会全体としては賛成少数で、残念ながら否決されました。
修正動議とは何か簡単に説明しますと、市長側が示した予算案などに対して、一部賛同し難い部分がある場合に、その点の修正を迫るものです。本市会では、8名以上の議員によって提案することができます。これは条例の提案と同じですので、可決した場合には市長側が従うべき拘束力を有します。似たようなものに5名以上の議員で提案する組み替え動議があります。しかし組み替え動議は、可決された場合にも、あくまでも修正して下さいという申し出を議会でしているに過ぎない点に大きな違いがあります。
今回我々が提起した修正動議の内容は、2点です。一つは、「新市庁舎整備検討事業」の費用に関し、もう一つは、「放射性物質を含む下水汚泥焼却灰の南本牧廃棄物最終処分場への埋立」に要する経費に関して、それぞれの予算の修正を求めました。
以下に修正動議提案理由を示します。
まず「新市庁舎整備検討事業」について、私たちは、本事業計画策定にあたっては、財政負担の軽減、
豊かな資産を活かしたまちづくり、市民の参画という3つの視点を一貫して求めています。
新市庁舎基本計画案は、基本構想と比して、新庁舎の余剰床を大幅に無くし、賃料収入を事業費に当
てるそれまでのスキームを取りやめることで収支シミュレーションが大幅に変更され、更には、市長の
「オリンピックまでに完成」発言を契機に、竣工までの期間も突然、短縮となり、そのために事業手法
を設計・施工一括発注とする等、これまで市民に説明されてきた事業の前提が、様変わりしてしまって
おります。
しかし本事業計画における、こうした前提条件の変更にもかかわらず、市民に対し、十分な説明がな
されていません。
横浜の未来を考えた時に、このまま本基本計画を一定の結論とし、次年度の実施に向けた検討事業を
進めるべきではなく、先にあげた3つの視点における議論を改めて十分に行った上での基本計画案の策
定を求めるものであります。
次に「放射性物質を含む下水汚泥焼却灰の南本牧廃棄物最終処分場への埋立」については、現時点で
住民や関係者の合意および理解が得られたという確証はなく、市長が先に本会議で答弁されている通り、
市民や関係者に対して丁寧な説明や意見交換などを継続する必要がある現状では、本事業の執行の見
込みが立っているとは言いきれず、また環境に与える影響やそもそもの安全性の担保への懸念の声や、
風評被害を心配される関係者の声への対応も十分とは思えません。
本事業は通常の公共事業とはその性質が大きく異なるものでありますから、引き続き、丁寧な話し合い
を行う中で、本予算案からは切り離した対応がなされることを求めます。
備考)主張のポイント。
市庁舎については、前提が大幅に変更されているので、3つの視点でもう一度市民に諮る。
下水汚泥焼却灰の埋め立ては、現状では、住民・関係者の理解も十分と言い切れないので、
事柄の性質上、更なる話し合いで成案を得て、補正予算で適宜対応する。
なお我々が本動議否決後に原予算案に賛成し、議会全体で可決されたことに関して、次のことを付け加えさせて頂きます。
本市の予算は、一般会計で約1兆4千億円強、特別会計や企業会計を単純に加えると約3兆5千億円(純計では約2兆5千億円)程度です。義務的経費から政策的予算まで、様々な事業予算が組み込まれています。良いと思えるものもあれば、無駄と思えるものや修正や削除すべきと思えるものがあります。また、その思える程度も様々です。
現在の議会議決制度の課題と言えることですが、当否様々な事業が含まれる予算案は、すべて一括一体としての議決となります。つまり”Yes”、か”No”の2者択一となります。例えば、全体で1兆4千億円の予算案に対して、仮に賛同し難い1百万円のなにかしらの事業予算が計上されている場合にも、1百万円の賛同し難い事業予算には目をつぶって、予算案全体に賛成するか、逆に賛同し難い点を優先し、必要な事業の予算が含まれている予算案全体に反対するしかありません。
今回、我々は修正を2点について求め、それらは否決されましたが、その後、市民生活に直結する事業予算の含まれる案全体には、今回、反対すべきではないと考え、最終的に予算原案に賛成しました。
以上の修正動議提案の模様は、こちらでご覧下さい。