前定例会で市庁舎の移転が、議会の議決として正式に決定した新市庁舎整備の話。私たち会派は、建設費、街づくり、区役所と市役所の役回り他の視点から慎重な議論と判断を求め、移転に反対しました。しかし自公民などの賛成多数〔賛成66名、反対20名〕で移転議案は可決されました。
当初から示されている約620億円の建設事業費も問題であることは指摘してきましたが、オリンピックに間に合わせた建設を進める市長方針の結果、昨今の建築物の建設単価高騰のあおりで、現時点で約50億円ほど必要予算が膨らんでしまいそうです。実は、この点に補足しなければいけないことがあります。それは単純に50億円の追加建設予算が必要になりそうなというだけでなく、新市庁舎の床面積を当初計画より約6千㎡縮小したのに、それだけの建設費が追加的に掛かるということです。もし当初通りの規模面積なら更に約24億程度の追加予算が必要になりそうだったということです。
以上の建設費増大の見込みの概要は、先週、当該の常任委員会が開かれ、当局より明らかにされました。翌日、新聞各紙地方版で記事になっておりましたので、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。建設をオリンピックに合わせて急ぐことで、まさに我々が危惧していた建設コスト増大になってしまうのは確実です。
50億円あったら何ができるか!?さまざまな市民生活向上のための行政サービスの提供ができます。今やどの自治体も、少子高齢化・生産年齢人口減少の中で、堅実な財政収支構造に基づき、優先順位をつけながら政策立案と実行をしなければいけない時代。我が横浜も例外ではありません。そのことをしっかり認識していなければいけないのが、我々市民代表である議員であり議会です。しかし口では、当局に対して枕詞のように「財政状況の厳しい折なので無駄遣いしない」事業遂行を求めつつも、私(私たち会派)からすれば「財源の確保はどうするのですか?」、「本当に将来に向けての財政規律ビジョンを描いていますか?」と思わず突っ込みを入れたくなるほど、言行不一致なのが実際の議会の現状です。
我々会派は、残念ながら現時点で少数派。なかなか主張が通らないのが現実ではあります。その点は自らの力不足を自覚し反省しつつも、市民の皆さまにしっかり、この議会の現状をお伝えし、市民の皆さまのお力添えを得て、我々と考えを同じくする仲間が増えていくよう訴えかけを強めていきます!