2014.06.03 | その他

平成26年第二回定例会常任委員会のご報告

 平成26年度の所属委員会が、第二回定例会本会議を経て正式に決まりました。常任委員会が、健康福祉・病院経営委員会で、特別委員会は、昨年度に引き続き減災対策推進委員会です。健康福祉・病院経営委員会は、その名の通り市民の健康や生命に直結する、最も市民生活に身近な事業や政策を扱う大切な委員会です。現代の行政需要の中で一番求められる施策分野でありますから、本市財政に占める事業費の割合も全局の中で最も大きな比重を占めています。私は、平成24年度に続いて、現議員任期中に2回目の所属となります。障害者福祉や高齢者福祉を中心とする本市の福祉施策や、あるいは各種の医療施策を統括する委員会ですから、よりいっそう当事者や関係者の生の声、現場の声を大切にしながら、重責を担っていくつもりです。

 さてこの健康福祉・病院経営委員会が、本会期中に2回開催されました。第1回目は、事業概要を中心に当局の説明があり、第2回目は、下記の内容の報告や質疑、採決が行われました。

病院経営局関係/
 1.報告事項 
  (1)第2次横浜市病院中期経営プランの概要及び取り組みについて 
  (2)横浜市市立市民病院再整備計画(原案)について

健康福祉局関係/
 1.市第7号議案 横浜市介護保険条例及び横浜市営住宅条例の一部改正
 2.市第17号議案 地域ケアプラザの指定管理者の指定
 3.市第42号議案 平成26年度横浜市一般会計補正予算(第1号)関係部分
 4.報告事項 
  (1)第6期横浜市高齢者保健計画・介護保険計画について 
  (2)第3期横浜市障害者プランの素案骨子(案)について
  (3)よこはまウォーキングポイント事業について 
  (4)子宮頸がん予防ワクチンについて 
  (5)臨時福祉給付金について 
  (6)寄付受納について

以上の他に継続中の調査案件の確認や各種委員会の委員についての報告と確認がありました。こうした案件の中からいくつかの事業や内容について次に補足説明させて頂きます。

 まず病院経営局の報告事項に関係して。現在、病院経営局では次期横浜市病院中期経営プランの策定に取り掛かっています。その中で特に大切なのが、脳血管医療センターの機能見直しと名称変更問題そして市民病院の移転再整備計画です。
 脳血管医療センターは多額の市費を投じて設立され、当初は全国でも有数の機能を有し、注目も浴びました。そして期待に違わぬ成果も出していたと思います。しかし何件かの不適切な誤った医療・医療事故や不適当な病院の内部運営が発覚したことを境に、患者離れや医者離れを起し、その後なかなかそのマイナスを補えず、赤字経営が続き、今日に至って設立当初の本来目的とは別に病院機能を追加する議論がされ、それに合わせた病院名称の変更も検討されています。私は、第2回目の委員会で、何が低迷の原因か客観的に逃げることなく見つめ直し議論することがまずあってしかるべしで、看板の付け替えで解決することなのか、との問題意識より何点かの質疑を当局と行いました。最終的に病院名の変更がなされるかどうかはまだ分かりませんが、一定の医療政策目標を課せられた市が経営する病院としていかにあるべきか、この点を市民、関係者、有識者そして我々議会の声を聞きながら、真剣に謙虚に当局に考えて頂くよう担当委員として見守っていきます。
 市民病院の再整備計画は、病院が老朽化・狭隘(きょうあい/手狭なこと)化していることから、保土ケ谷区に位置する現在地からやや移動し、三ツ沢公園の南側の一部と周辺地域を取得し、2017年着工、2020年完成を目指すものです。事業費は約420億円を予定しています。市民病院の再整備は、市民の健康福祉に直結する最重要な事業と考えます。ただ一方で財政状況の逼迫の問題がありますから、今後の医療需要をしっかりとらえて、使い勝手のいい機能的な病院を無理ない収支計画の下、建設していってほしいと考えています。

 次に健康福祉局の報告事項に関係して、子宮頸がん予防ワクチン問題について述べさせて頂きます。このワクチンは、子宮頸がんになりうる原因の一つと考えられるHPV(ヒト・パプローマ・ウイルス)への感染予防ワクチンとして、近年接種が行われているものです。特に一時は、国の勧奨があったため、本市でも積極的な接種事業が行われていました。しかし平成25年の6月に、接種後の疼痛や痺れ、麻痺などの副反応が全国的に報告される症例が相次いだため、国による積極的な勧奨が中止されました。それを受け、本市でも現在では接種勧奨は行っていません。
 国は報告されているような副反応とワクチン接種の因果関係は、現時点で認めていません。最終的な国による因果関係の調査・検討の結果もまだ示されていません。ただ全国では、いまだに続く副反応被害を訴える接種者が多くおられます。本市でも委員会開催時点で21名の接種者・その家族の方からの相談が寄せられています。その中には深刻な症状を訴えられる方もおられます。こうした状況があるので国は接種と症例の因果関係はまだ明確にしていないけれども、本市では、これまで予防ワクチンの接種勧奨事業を主体となってやってきた経緯も考慮し、市が定める一定の条件を満たしたワクチン接種による副反応被害を訴える方には、国の医療被害救済制度に倣って、6月1日以降、約2年間にわたって、治療や入院に要する経費に関して上限の範囲で、支援事業を行っていくという報告がありました。
 いまだ国が因果関係を認めず、他の自治体でも同様の支援事業例は稀有の中で、こうした支援事業を市単独で行うことは、行政にとって勇気のいるものです。私は、行政としての制約がある中で、一歩踏み込み、思い切ってこの決断したことを評価していることを当局に伝えました。そして委員会全体としても、会派を問わずそうした評価だったと思います。
 医療の問題は、専門家でなければ分からないことばかりです。もちろん現在起こっている副反応問題の因果関係はまったく分かりません。分かっているのは、国そして本市が積極的なワクチン接種事業を行ってきたこと。重篤な症例も含めて、副反応被害を訴える市民がおられるということです。こうした医療支援を行政が行う際には、責任の所在や公正性、公平性、市民の社会正義感などを総合的に勘案して判断しなければいけないと考えています。今回の支援事業は、支援に至った経緯や支援内容を見れば、市民代表である我々議員・議会が行政の支援決定を“是”とすることこそが、きっと多くの市民から“それでよし”とおっしゃって頂けることになるのではないか。そんなことを考えながら、私はこの案件に関する当局との委員会でのやり取りに参加していました。

 以上の委員会やり取りは、市会HPでご覧頂けます。

 

 
         

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